創業者・鬼塚喜八郎は、1918年に鳥取県鳥取市で坂口家5兄妹の末っ子として生まれる。
戦時中に青春時代を過ごしたため、喜八郎も将校を目指し鳥取一中に入学。
同級生に日本プロ野球で第一号ホームランを打つ藤井勇がいる。
苦難があったものの、無事に将校になった喜八郎は上田中尉と出会い、懇意となる。
上田はビルマ戦線に参加することになるが、鬼塚家に養子縁組する予定だった。
「ビルマに行っている間、鬼塚夫妻を頼む」という上田からのお願いをされる。
戦後に上田の戦死通知が届き、鬼塚夫妻からも「面倒を見て欲しい」との相談もうけ、鬼塚家の養子になるために神戸へ行くことに。
3年ほど働いた商社を退職後、兵庫県教育委員会の保健体育課長であった堀公平から「子供たちがスポーツに打ち込める靴を作って欲しい」との依頼と、「健全なる精神は健全なる肉体にこそ宿るべし」という言葉を受ける。
この言葉が後に誕生する|asics|の由来となる。ラテン語で「Mens Sana in Corpore Sano」というが、Mens(才知、精神)をAnima(生命)に置き換え、頭文字をとり「A・S・I・C・S」と名付けた。