【これであなたもレザーマスター】皮革製品徹底比較

何年かに一度、必ずその時代を表すファッションアイテムとして活躍するレザーアイテム。

パンクアーティストのライダースジャケット。
戦闘機パイロットのG-1。
検事のレザーダウンジャケット。

このように、記憶に残るアイテムが多い。

※上からシド・ヴィシャス、映画「トップガン」のトム・クルーズ、映画「ヒーロー」の木村拓哉 (|A BATHING APE|のダウンジャケット)

記憶に残り憧れる物だが、意外と素材自体の価値が分かりにくい。
そんなレザーアイテム(皮革製品)を徹底的に解説していく。

INDEX

「レザー」
価値の見極め方

「皮から革へ」
皮革製品の価値の見極め方法

皮と革は何が違うか、ご存知だろうか?

無加工の動物の皮膚が「皮」。
製品として鞣し加工されたものが「革」。

さらに、皮革製品を大きく分けると、本革と合皮(合成皮革)の2つに分ける事が出来ます。

動物の皮から出来ているものが「本革」。
一切動物の皮は使われていないものが「合皮」。

動物の皮膚を革としている為、本革の方が高価で人気。
しかし、近年動物愛護への関心、技術革新により手入れが簡単になった為、合皮の人気も高まっている。

本革と一言で言っても種類が多く、何に使うか?どう使うか?で選ぶべき物が変わる。また、価値を見分ける時にはしっかり見極めたい。

大きくは、
①動物の種類
②鞣し加工
③仕上げ法

により変化する。

1. SKIN

革製品の価値を決めるのは、皮の質が重要でそれが全てと言っても過言ではありません。
質が低ければ、その後の鞣し方法は限定される事もあり、革製品の価値を判断するには皮を理解する必要があります。

↓の画像をクリックすれば、説明している記事に移動します。

2. TANNING

「皮」は動物の皮膚の為、腐ってしまいます。それを科学的な処理で腐らなくさせる作業を「鞣し(なめし)」と呼び、「革」製品にする事が出来ます。

この加工法を理解しておくと、加工の価値や正しい状態判断が出来るので、価値判断に役立つ。

↓の画像をクリックすれば、説明している記事に移動します。

3. METHOD

革の表情を仕上げ法が決めると言っても過言では無い。
価値を上げる仕上げもあるので、確認したい。

↓の画像をクリックすれば、説明している記事に移動します。

重要度が最も高い!①皮の種類

動物の種類は、牛・馬・山羊・羊・豚・ワニなどの皮が使われる事が多い。
動物ごとに特徴が違う。

【牛革|Cow hide】

価 格
3.5/5

最も一般的な皮で、革製品での流通量が最も多い。
年齢・性別・部位で特徴や価値が変わってくる。

ハラコ:胎児から生後間もない仔牛
ベビーカーフ:生後3ヶ月までの仔牛
カーフスキン:生後3ヶ月~6ヶ月以内の仔牛
キップスキン:生後6か月から1年以内の牛
ステアハイド:生後2年以上で、生後3か月から6か月の間に去勢した雄牛
カウハイド:出産を経験した生後2年以上の雌牛
ブルハイド:生後3年以上経った繁殖用の雄牛

基本的に若ければ若い皮の方が、綺麗で柔い傾向にあり、価値も高いとされる。

ブライドルレザー | Bridle leather

価 格
3/5
牛革の皮革素材。
牛革をナチュラルタンニンなめしでなめされ、蜜ロウなどのワックスを革の表面に塗り込んだもの。
元々は馬具として作られたため、強い耐久性が求められました。それ故皮革の加工にも時間がかかり非常に貴重な革の一種。

イタリアンレザー | Italian leather

価 格
3.5/5
牛革の皮革素材。
伝統的な文化のもと、科学用法を使わず、自然にやさしいベジタブルタンニンで鞣された質の高い高級レザー。発色の良さと革本来のキメや柔らかさは大きな魅力です

ハラコ | Unborn Calf

価 格
4/5

牛革の皮革素材で、胎児~生後間もないほどの子牛の革。

短い毛のついた素材で独自の風合いがある。牛革の中でも最高級の素材と位置づけられ、一般的な市場に出回ること少ない。実際に商品として販売された際の価格も高価な場合が多く、通常販売されているものはポニーなどをハラコと称して販売しているケースがほとんど。

カーフスキン | Calfskin

価 格
4/5

牛革の皮革素材で、生後6ヶ月以内の子牛の革。

牛革の中でも最も上質な素材となっています。薄く、柔らかく、キメが細かいのが特徴。また、元となる革が4.3kg以下のものをライトカーフ、それ以上のものをヘビーカーフと呼び、高級革製品に使われることが多い。

カウハイド | Calf hide

価 格
2.5/5

牛革の皮革素材で、生後2年を経過したメスの牛の革。

メス牛の革はオス牛の革に比べ厚みが薄く、若干柔らかいという特徴がある。
カーフスキンに比べると革そのものが厚く、とても丈夫。

ステアハイド | Steerhide

価 格
2.5/5

牛革の皮革素材で、生後2年を経過したオス牛の革。一般的に牛革の中での代表的な革。

基本的に牛は生後3ヶ月~6ヶ月の間に去勢をする。
去勢をしないオス牛の革(ブルハイド)と比較すると、革質が柔らかいのが特徴。革の厚みは比較的均等のため、様々な商品に加工される。

ブルハイド | Bullhide

価 格
2.5/5

牛革の皮革素材で、生後2年を経過したオス牛の革。

基本的に牛は生後3ヶ月~6ヶ月の間に去勢をする為、去勢されいない牛の革を使用している。
牛革の中でも非常に固い素材で丈夫。
一方で柔軟さは無い。主に靴のアッパーや底などに使われている。

ジナマ | Jinama

価 格
2.5/5

牛革の皮革素材で、日本国産の牛革のことをさす。

「ジナマ」とは、日本独自の牛革の呼び名。
一般的に、国産の牛革は管理状態が良いため、品質が高い革として人気。

【馬革|Horse hide】

価 格
4/5

牛に比べて、薄くて柔らかな特徴を持つ。
比較的高価で、高級なレザージャケットや財布に使われる事が多い。

コードバン | Cordovan

価 格
4/5

馬革の皮革素材。

スペイン・コルドバ地方で初めて作られたとされる最高級革。尻の革のみしか使わない為希少性が高く、特別に分厚い革の堅い層のみから作られるので丈夫でしなやか。また繊維が緻密に立ち並んでいるので表面はガラスのような光沢と滑らかさが魅力です。その希少性、美しさ、強靭さから、革のダイヤモンドとも呼ばれます。

【羊革|Sheep skin】

価 格
3/5

防寒能力が非常に高く、薄くて柔らかいですが強度が弱い特徴を持つ。
英語表記がシープスキン、フランス語表記でムートンと呼ばれ、意味は同じですがモコモコ毛皮が付いた物をムートンと区別されている。

シープスキン | Sheepskin

価 格
2/5

羊革の皮革素材で、生後 1 年を過ぎた羊の革。

柔らかくて、断熱効果が高いのでコート や レザーパンツ、手袋などの防寒衣料 に多く使われています。

一般的な羊の革=シープスキンです。

ラムスキン | Lambskin

価 格
2.5/5

羊革の皮革素材で、生後 1 年以内の子羊の革。

羊の革の中では最高級の革。毛穴が小さく、きめ細かい革なので、柔らかく軽いのが特徴。肌触りもしっとりと滑らかで、断熱効果も高いので 高級手袋 や 防寒用の衣料 に使われている。

また、生後 6 ヶ月以内のものは ベビーラムスキン。縮れた巻き毛の羊を ウールシープ。直毛の羊は ヘアーシープと呼ばれる。

【豚革|Pig skin】

価 格
2/5

牛に比べて耐摩耗性と通気性に優れている。牛革に次いで多くの製品に使用されています。
日本国内では唯一 自給自足出来ているレザーで、その為価格も安い傾向。
デメリットとしては、独特の毛穴とさわり心地。馬や牛のようなつるっと感はなく、毛穴がそのまま開いているのが特徴。

【ワニ革|Alligator hide】

価 格
4.5/5

高級レザーの中でも独自の地位を確立している。
「クロコダイル・アリゲーター・カイマン」と、大きく分けて3種類。

いずれも鞣しや加工によりますが、哺乳類とは比較にならない高い強度を持っている事が特徴。

皮から革に変化させる②鞣し加工​

加工方法とは、鞣(なめ)し加工の事。
本革は、動物の皮膚の為腐ってしまいます。それを科学的な処理で腐らなくさせるのが「鞣し加工」。
大きくクロム鞣し、植物タンニン鞣し、コンビ鞣しの3種類に分けられる。

【クロム鞣し|Chrome tanning】

価 格
2/5

塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品を使った鞣し加工。100年ほど前にドイツで開発され、現在ではほとんどの革製品に使われている加工法。

メリットとしては、2-3週間と期間が短く加工出来、コストが安く、素材のキズや汚れなどを隠すことができて頑丈である。

デメリットとしては、表面が一定で経年劣化が楽しめない
また、化学薬品を使っている為アレルギーを発症する等、環境や人体への有害性を危惧する声がある。
その流れで、処理する際に有害物質を発生させてしまうクロムを使用しないアルデヒド鞣しが近年注目されている。

【植物タンニン鞣し|Vegetable tanning】

価 格
4/5

植物にある水溶性の化合物を使った鞣し加工。起源は古代エジプトにまで遡る。

メリットとしては、エイジング(経年劣化)が楽しめ、自分だけの革に育てる事が出来る。
また、天然物を使っている為、環境や人体へ悪影響が少ない。

デメリットとしては、乾かして塗り重ねるという作業を何度も繰り返すのでおよそ1ヶ月半-2ヶ月と長期間が必要また、素材の傷や汚れを隠す事が出来ないので良質な革を使う必要があり、どうしても高価になってしまう傾向にある。

【コンビ鞣し|Combination tanning】

価 格
3/5

コンビネーション鞣しの略で、クロム鞣しと植物タンニン鞣しを掛け合わせた鞣し加工。

頑丈さと経年劣化を楽しめる欲張りな加工であるが、クロム鞣しが強い為頑丈さが強く、経年劣化は出にくい。

その為、野球のグローブや|Red Wing レッドウィング|のブーツなどで使われる事が多い。

見栄えを変化させる③仕上げ法

革の表情の豊かさは、仕上げが決めるといっても過言ではない。
革の表情を決める仕上げ方法の一部を紹介する。

ヌメ革 | Tanned leather

型押しなどの表面加工をほとんど施さずに仕上げた牛革。革本来の雰囲気を持ちます。
使い始めは硬い感じがしますが、使い込んでいくとクッタリ馴染み、「あめ色」と呼ばれる味わい深い風合いに熟していく経年変化を楽しめます。

※ヌメ革にオイルを重ねたものはサドルレザーと定義されることもありますが、ヌメ革と呼ばれるものの中でもオイルを重ねたものもありますので、一般的には違いはありません。

スウェード | Suede

皮革素材の加工技法のこと。

鞣した革の内側をサンドペーパーなどで起毛させたもの。

スウェードは皮の内側を起毛させていますので、独特の光沢感やあたたかみがある。
スウェードの語源は、「ガーント・ドゥ・スウェード(スウェード製の手袋)」がフランスで流行し、そこからスウェーデンに関連付けて「スウェード」と呼ばれるようになった。

ベロア | Velor

皮革素材の加工技法のこと。

革の裏側である床面をサンドペーパーで毛羽立たせ、短く起毛させた仕上げ。

毛足が短く、細かくて柔らかな手触りのものほど良質とされている。中でもシルキーベロアは高級品として珍重される。ウエアや靴、ハンドバッグに手袋など用途は広い。

ヌバック | Nubuck

皮革素材の加工技法のこと。

脱毛後の革の表面(銀面)をサンドペーパーで軽くバフ掛けして起毛させた革。

裏面を起毛させるスエードやベロアよりも繊細で、その毛足はとてもきめ細かい。しっとりとした手触り感があり、靴やハンドバッグに使われることが多い。

エナメル | Enamel

皮革素材の加工技法のこと。

革の銀面へボイルアマニ油やワニスを塗装し、乾燥を繰り返すことで、光沢のある被膜を出したもの。

現在はウレタン樹脂が使われることもある。パテントレザーとも言われる。素肌の魅力を打ち出す本染め革とは対照的なエレガントな仕上げで、水にも比較的強い。

型押し| Embossed leather

皮革素材の加工技法のこと。

革の銀面に高温高圧のプレスで凹凸を付けて、革に立体的な表情を与える仕上げ方法。

主にワニ革の模様が付けられることが多く、型押し技術が上がった近年では素人目には天然のものと見分けがつかないことも多い。鞄や靴、ウエアなどに幅広く使われている。

オイルレザー| Oil leather

皮革素材の加工技法のこと。

ロウやオイルなどで撥水性や堅牢性が与えられた強化レザー。

オイルレザーはそのうちの一つで、革に多量のオイルを加えることで、耐水性と柔軟性を持たせたもの。染み込ませたオイルによって独特の艶があり、また使い込むほどにオイルが染み出て独特の風合いを見せる。

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