1990年代。

東京都渋谷区の小さなエリアが、世界のストリートファッションの中心となっていた事をご存知だろうか?

世界のファッションの中心が欧米以外だった歴史は、この「裏原系」が流行った時の原宿だけ。

「裏原系ってなんなのさ?」
「藤原ヒロシって誰?」
というあまり知らない方から、

「あの時の懐かしいブランドの今は?」
という詳しい方まで、全ての方を満足させる為に情報を網羅しました。

とにかく これは日本人として知っているべき「文化」

どういう人が居て、どのようなブランドがあったか?全てを紐解いていきます。

INDEX

そもそも
裏原系とは何か?

ファッションの中心地「原宿」の裏
そこで生まれた文化とは何か?

「裏原系」と呼ばれるが、この言葉にはしっかりとした定義が無い。

本ページでは、正統「裏原系」の定義は、

藤原ヒロシと関係がある人物が立ち上げたブランド

藤原ヒロシとは誰か?の問いには、是非こちらの記事を見て欲しい。裏原系ブランド創始者の全員が憧れた人物だ。

とし、以下の2点も裏原系の特徴である。

・音楽がバックボーンにある
・ストリートウェア(ゆったりしており動きやすい格好)

「〇〇系」という呼び名は、音楽から始まっている為、音楽がバックボーンにある事が多い。

この後、「恵比寿系」という言葉も出てくる。この恵比寿系はより音楽色が強まっていき、さらにストリート色が強いファッションになっていく。

この「恵比寿系」も、「裏原系」から派生したブランドの為、裏原系の一部として紹介します。

「裏原系」
関係者

誰が裏原系を創り成長させたか?
「裏原系」に関わった人達

「裏原系」の重要人物は誰か?

この問いには、明確な答えがある。
まずは、絶対的存在として藤原ヒロシ。
そこにNIGO®︎、高橋盾、
SKATE THINGを加えた4人である。

なぜこの4人が重要人物か?彼らがやってきた事を理解すれば納得してくれると思う。簡単に説明しよう。
藤原ヒロシに関しては、前述している通り。

NIGO®︎も女優・牧瀬 里穂と結婚している事もありご存知な方も多いかもしれない。
簡単に説明すると|A BATHIG APE|の創業者で、2004年には米TIME誌で「アジアの英雄20人」に選出されるほどの影響力を持った男。

高橋盾は、通称ジョニオと呼ばれ|UNDER COVER|の共同創業者。|NIKE|、|UNIQLO|などの世界的ブランドと定期的にコラボレーションしている日本の代表的デザイナー。

SKATE THINGは、通称スケシンと呼ばれるグラフィックデザイナー。
裏原系元祖|GOOD ENOUGH|のデザイナーであり、|A BATHING APE|の生みの親で、|UNDER COVER|の初期グラフィックのほとんどを製作。
さらに、|WTAPS|の前身|40% AGAINST RIGHTS|を西山徹と立ち上げるなど、影でたくさんの裏原系ブランドと関わっている。
現在も|C.E.|をデザイナーとして立ち上げるなど精力的に活動している。

左から藤原ヒロシ、NIGO®︎、高橋盾。
伝説的な連載である「LAST ORGY3」での一コマ。

左から藤原ヒロシ、スケートシング。
1990年の写真。|GOOD ENOUGH|を着用しているが、当時は誰がやっているか公表しておらず、海外のブランドのような紹介の仕方をしている。

90年代後半になってくると、裏原系から恵比寿系への転換期に入る。

恵比寿系の元祖として95年に|Devilock|がスタート。

その2年後には、BACK DROP BOMBというバンドをやっている白川貴善が|empire|をスタートさせる。
当時は、伝説的な恵比寿系ショップ「HEIGHT」がまだオープンしていなかった為、|BOUNTY HUNTER|に置かせて貰っていたという。

その後、シャカゾンビの井口とオオスミタケシが|SWAGGER |スタートし、すぐに人気が全国区に。

一方アメリカでは、|STUSSY|の創業者ショーン・ステューシーと藤原ヒロシは80年代からの友人。
|SUPREME|創業者のジェームス・ジェビアはセレクトショップ「Union NY」オーナーであり、|STUSSY|ニューヨークチャプトの責任者もやっていた。
もちろん、藤原ヒロシとも関わりがあり、1999年には|GOOD ENOUGH|と|SUPREME|のコラボTシャツも販売。

NIGO®︎は、アメリカの人気ヒップホップグループ「The Neptunes」のファレル・ウィリアムスが日本で自分のスタジオを貸した事から交友が始まる。

その流れで、元々裏原に興味があったカニエ・ウェストとも繋がり、|BAPE STA!|でのコラボ発売。

そのカニエは|OFF WHITE|創業者のヴァージル・アブローとは長くからの付き合いで、日本のファッションに造詣が深く|SWAGGER|などのブランドを着用していた。

誰と誰が関係しているの?裏原系相関図

「裏原系」
ブランド

誰が裏原系を創り成長させたか?
「裏原系」に関わった人達

GOOD ENOUGH|グッドイナフ

価 格
3.5/5
人 気
4/5
|GOOD ENOUGH グッドイナフ|とは、藤原ヒロシ、スケートシング(通称:スケシン)、岩井徹、水継の4人で創業したストリートブランド。 当時、スケートボード界隈のブランドが人気で、スケシンが「Tシャツを作りたい」と言った事が始まり。1998年の人気絶頂期にブランドを一時休止し、2017年にブランドを終了。

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A BATHING APE|アベイシングエイプ

価 格
3/5
人 気
3.5/5

|A BATHING APE アベイシングエイプ|とは、NIGO®︎が創業した東京裏原宿発祥のストリートブランド。
正式名称は「A BATHING APE IN LUKEWARM WATER」で、根本敬の著書『因果鉄道の旅』の中で、イイ顔したオヤジの喩えとして描写した「ぬるま湯に浸かった猿」の意味。名前自体は設立当初より関わっているSKATE THINGが考えたとされる。

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UNDER COVER|アンダーカバー

価 格
3.5/5
人 気
4/5
|UNDER COVER アンダーカバー|とは、高橋盾(通称ジョニオ)と一之瀬弘法が創業した東京裏原宿発祥のストリートブランド。 ブランド名には「秘密めいた雰囲気を漂わせたい」という思いがあり「アンダーカバー」という造語を採用。

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NEIGHBORHOOD|ネイバーフッド

価 格
3/5
人 気
3/5
|NEIGHBORHOOD ネイバーフッド|とは、滝沢伸介が創業した裏原系ストリートブランド。 2000年代後半から「ルード系」の代表的なブランドに。コンセプトは「モーターサイクル、ミリタリー、アウトドア、トラッド等の要素を独自の解釈で消化したベーシックな服作り、またそのライフスタイルの提案」。

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WTAPS®︎|ダブルタップス

価 格
3/5
人 気
2.5/5

|WTAPS®︎ ダブルタップス|とは、西山徹が創業した「Placing things where they should be(あるべきものをあるべき場所へ)」をコンセプトにしたブランド。
元々、1993年に|40% AGAINST RIGHTS|をスタートし、1996年に|40% UPARMORED WTAPS|としてリスタート。
M-65などに代表されるミリタリーウエアが得意。

ITEM.

WTAPS®︎の代表的なアイテム。

M-65

参考価格    ¥75,000-

人 気
3.5/5

ミリタリーウェアを得意とする| WTAPS®︎|が毎シーズンのように展開。
BDUパンツと並び、ブランドの顔として人気が高く、ネットでは高騰することも。

NUMBER(N)INE|ナンバーナイン

価 格
3/5
人 気
2.5/5
|NUMBER(N)INE ナンバーナイン|とは、宮下貴裕が創業した、音楽にインスピレーションを受けている事が特徴のブランド。ブランド名は、ビートルズが1968年に発表したアルバムのなかの一曲、「レボリューション・ナイン」からとられている。 オカルト的な人気を誇るが、2009年にブランド解散する。その後、2010年に新体制で再スタート。宮下貴裕は|TAKAHIROMIYASHITA The SoloIst. タカヒロミヤシタ ザソロイスト|をスタートさせる。

STUSSY|ステューシー

価 格
2.5/5
人 気
3/5

|STUSSY ステューシー|とは、ショーン・ステューシーが創業したストリートブランド。
1980年にスタートし、「元祖ストリートブランド」と呼ばれ、ISTと呼ばれる宣伝部隊を作るなど、独自のマーケティング手法はその後の裏原系ブランドに受け継がれていく。

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SOPH.|ソフ

価 格
3.5/5
人 気
3.5/5

|SOPH. ソフ|とは、清永浩文が創業した「洗練された日常着」をコンセプトに掲げるストリートブランド。2002年に商標の問題もあり、|SOPHNET. ソフネット|に変更。
|F.C.Real Bristol エフシーリアルブリストル|と|uniform experiment ユニフォームエクスペリメント|も運営している。

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visvim|ヴィズヴィム

価 格
3.5/5
人 気
3/5

|visvim ヴィズヴィム|とは、2000年に中村ヒロキが創業したストリートブランド。
元々、中村が|BURTON|のスケートボードライン|GRAVIS|で勤務していた事もあり、シューズブランドとしてスタートした。
2004年にアパレル展開をスタートし、2005年にフラッグショップ「F.I.L.」をオープン。

 

ITEM.

visvimの代表的なアイテム。

FBT シャーマン

参考価格    ¥72,000-

人 気
2.5/5

FBTシャーマンとは、ブランド創業当時から発売されているモカシンとテクニカルなソールが融合した靴。
カニエ・ウェストやエリック・クラプトンなど、海外アーティストも着用するなど、特に2000年代に大人気に。

BOUNTY HUNTER|バウンティーハンター

価 格
3/5
人 気
2/5

|BOUNTY HUNTER バウンティーハンター|とは、岩永光が創業したパンクロックのスタイルをベースとしたアイテムを展開するブランド。オリジナルウェアをメインに、トイや雑貨などバリエーション豊かに展開する。
デザイナーの岩永光は、文化服装学院在学中に|UNDER COVER|のデザイナー・高橋盾と出会い、パンクバンド「東京セックスピストルズ」を結成。
LONDON NITEというパンク・ロックのDJイベントにてバンドで活動していた。その後、LONDON NITEで出会った大貫憲章の付人兼運転手を経て、1995年にバウンティハンター原宿店をオープン。
元々オーナー自ら買い付けたアメコミトイショップ兼パンク・ロックTシャツショップとしてオープンさせるが、スケートシングデザインによるオリジナルフィギュア第1弾キッドハンターがあっという間に完売したため、自らデザインしたフィギュアを不定期に発売している。その他、藤原ヒロシとのコラボレーションも人気を博した。

Let It Ride|レットイットライド

価 格
2.5/5
人 気
1/5

|Let It Ride レットイットライド|とは、佐渡村健が創業したアメリカンカジュアル系のアイテムを展開しているストリートブランド。
|BEAMS|、|UNITED ARROWS|でキャリアを積んだ佐渡村は1993年にショップを「ELT」をオープン。
お店では、|GOOD ENOUGH|などを扱っていたが、オリジナルブランドとして|Let It Ride|をスタートした。
2003年にブランドは終了し、その後は不定期にコレクションをリリースしている。

HECTIC|へクティク

価 格
2.5/5
人 気
1.5/5

|HECTIC へクティク|とは、プロスケーターの江川芳文氏と古着店バイヤーの真柄尚武が創業したセレクトショップ、及そのオリジナルブランド。
創業当初は「自分達の欲しいもの」を世界中からセレクトするだけだったが、後にオリジナルブランドとして|realmadHECTIC リアルマッドへクティク||Masterpiece マスターピース|を立ち上げる。
2008年には、事業をワールド社に譲渡した。

REVOLVER |リボルバー

価 格
2.5/5
人 気
1.5/5

|REVOLVER  リボルバー|とは、モデルとして活動していたKIRIと、後に俳優としても活躍するARATA(井浦新)が創業したストリートブランド。
1998年に原宿にお店をオープンし、後発ながら裏原系の代表格として紹介されることも。
しかし、2000年代中盤から人気が下降し、2007年にARATA脱退
2008年には倒産し、2014年までKIRI一人で続けるが、ブランド終了。
2020年に再開するが、現在は活動をしていない。

GDC |ジーディーシー

価 格
2/5
人 気
1.5/5

|GDC  ジーディーシー|とは、当時スタイリストをやっていた熊谷隆志が1998年に創業したストリートブランド。
元々、「グランドキャニオン」という名称だったが、同じ名前のブランドがあった為、変更する。
2008年には|UNIQLO|とのコラボTシャツを発表。

BRAND.

GDCのブランドライン。

NARCOTIC|ナーコティック

価 格
2/5
人 気
1/5

|NARCOTIC ナーコティック|とは、2002年春夏シーズンよりスタートした、|GDC|のセカンドライン 
AIRやゆずやDragon Ash等のCDジャケットのデザインで知られる河原光がデザイナーを務めた。
河原はGDC創立時にはグラフィックを担当しており、2003年秋冬シーズンを最後にブランドを終了。

Devilock|デビロック

価 格
2.5/5
人 気
1.5/5

|Devilock デビロック|とは、遠藤憲昭が1995年に創業した音楽をバックボーンとしたストリートブランド。
アメリカのロックバンド「The Misfits」の髪の毛を真ん中に垂らしたトレードマーク“Devilock”に由来している。
遠藤は元々ハードコアバンド「GMF」のボーカルで、メロコアブームの立役者の一人ともされる。
ショップは恵比寿の小さなビルの1室でやっており、その後の「恵比寿系」の元祖となる。
また、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」の創業者である前澤友作とはバンド時代からの付き合いで、ZOZOが初めて取り扱ったブランドが|Devilock|である。ブランド解散時に、感謝の意を込めて全ページをDevilock色に変えるプロジェクトを実施する。

MACKDADDY|マックダディ

価 格
2.5/5
人 気
1/5

|MACKDADDY マックダディ|とは、日下部司が1997年に創業した「長く着られる洋服作り」をコンセプトにしたストリートブランド。
1999年には恵比寿にショップ「HEIGHT」をオープンし、|SWAGGER|などをセレクトしたことから、|Devilock|と並び「恵比寿系の元祖」と称される事も。
毎週末に行列を作るほどの人気となり、2003年には原宿にショップを移し「HEIGHT TOKYO」をオープン。

SWAGGER|スワッガー

価 格
3/5
人 気
2/5

|SWAGGER スワッガー|とは、シャカゾンビというヒップホップグループのIGNITION MAN(井口秀浩)、BIG-O(オオスミタケシ)が創業した、「最高級のストリートウェアの提案」がコンセプトのブランド。
1999年にブランドがスタートし、恵比寿のショップ「HEIGHT」などで取り扱われ、音楽、特にヒップホップカルチャーにインスパイアされたアイテムを展開。
当時は、メロコアなどのバンドを中心とした恵比寿系だったが、異色ではあるものハイセンスなアイテムが話題を呼び、「恵比寿系の代表」と称されるほどの人気を誇った。
全国にショップをオープンさせるなど拡大していくが、人気が落ち着いてきた2013年に倒産。

BRAND.

SWAGGERのブランドライン。

PHENOMENON|フェノメノン

価 格
3/5
人 気
2/5

|PHENOMENON フェノメノン|とは、2004年にスタートしたBIG-O(オオスミタケシ)によるファッションブランド。
「もっと自由にやりたい」という事で、音楽を中心としたコンセプトで発表。
なお、ブランドネームは好きなラッパーThe Notorious B.I.G.の楽曲「Rap Phenomenon」のタイトルにちなむ。
2010年秋冬より、東京コレクションに参加。
2016年には、BIG-Oが退任する。

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