|GOOD ENOUGH|というブランドをご存知だろうか?

裏原系ファッションの元祖で、色んな事を始めたブランドである。

ブランド終了から時間が経ったが、未だに根強いファンが存在し、中古市場でも人気がある。

そんな|GOOD ENOUGH|を徹底解説する。

INDEX

|GOOD ENOUGH|
歴史

「元祖裏原系」
全てを開拓していったブランドの歴史

|GOOD ENOUGH グッドイナフ|と言えば、「藤原ヒロシが立ち上げた裏原系ストリートブランドの先駆け」。

裏原系の先駆けだけではなく、色んな事の「初めて」を先駆けていく。

・創業者・デザイナーが誰なのか分からない。
・袖タグを初めて付けた。
・世界初のブランド同士のコラボレーションを行なった。
・ブランド絶頂期に一時休止。

このようにいろんな事の「初めて」を打ち立て、今では当たり前にやっている事も、藤原ヒロシやその仲間によって始められた。
そんなパイオニアブランド|GOOD ENOUGH|の歴史を紐解く。

藤原ヒロシと|GOOD ENOUGH|

|GOOD ENOUGH|は1990年にスタートするが、藤原ヒロシは当時から、DJ/ヒップホップアーティストとして音楽業界の最先端を走っており、もう「知る人ぞ知る」存在だった。

雑誌宝島の「LAST ORGY」という記事を高木完二と担当しており、最新の音楽やファッションの情報を発信していた。
ヒロシはイギリスやアメリカに精通しており、音楽家の顔だけでなく、世界のトレンドの伝道師としての役割を担っていた。

そんなある日、後に|C.E. シーイー|を立ち上げるスケートシング(通称:スケシン)が、アメリカのスケートボードブランドが人気なのを受けて「Tシャツを作りたい」と相談する。

この一言にヒロシはブランドを立ち上げることを即断し、ブランド名を|GOOD ENOUGH|としスタートさせる。
のちにこのブランドをきっかけに「裏原系」という言葉が浸透することとなる。

ヒロシは、本格的に始める為に小倉でショップ「THIEVES」店主をしていた岩井徹に声をかける。
岩井は、先輩である大鍛冶信明をヒロシに紹介する。
大鍛冶は、アイビーブームの時に|VAN|と|JUN|両方のショップを運営し、その後は古着やDCブランドの輸入で財を成した実業家。その大鍛冶にパトロンになってもらい、アパレルの経験がある水継を加入させ、「十分に良い(GOOD ENOUGH)」メンバーで立ち上げる。

ショーン・ステューシーから受けた影響

ヒロシは|STUSSY|を古くから愛用しており相方である高木完やその仲間も着用し、雑誌でも紹介していた。

創業者ショーン・ステューシーとの出会いは、1986年に三軒茶屋で行った「雑誌の取材」だった。
その取材でヒロシの事を気に入ったショーンは、アメリカに帰った後に服を送る事となり、関係は今でも続いている。

それから、世界に数人しか居ないとされる「INTERNATONAL STUSSY TRIBE(|STUSSY|の仲間達)」となる。

この「その街で認められたオシャレな人に服を着てもらう」というマーケティング方式は、裏原系ブランドに継承される。

ショーンのインスタグラムで藤原ヒロシとのツーショットを紹介した写真。
どちらもストリートの伝説として語り継がれる。

|A BATHING APE|のNIGO®︎とのスリーショット。

|GOOD ENOUGH|の「初めて」物語

当時から音楽業界では「知る人ぞ知る存在だった」ヒロシは、自分の名前を伏せた。

これにより、アメリカのストリートブランドと同じと見なしたファンが「本店」を求めロサンジェルスを探し歩いたという。

1990年にヒロシは小泉今日子の「No.17」というアルバムをプロデュース。
その流れで、ライブツアー「小泉今日子‘91 セクシー・ダイナマイト・ツアー・MMK作戦」にも参加し、ライブTシャツを製作する。

その左袖と背に|GOOD ENOUGH|のタグが付いていた。
これは|SEDITIONARIES|の商品に付いていた長いタグを参考にしたもので、パンク好きのヒロシが出したアイデアだ。
これをきっかけに、袖などにタグを付ける事が普通になっていく。

さらに、大きな衝撃を生み出す。
1995年、|PORTER|とのコラボレーションを行う。これが、アパレルブランド同士での初めてのコラボだと言われている。

ヒロシは、1983年に発売された名品MA-1素材の「タンカー」を愛用しており、これを使ってレコードバッグの製作依頼をした。
その出来上がりに大満足だったヒロシは、|GOOD ENOUGH|とのコラボ商品として数量限定で販売。
この事を機に|PORTER|は全国区となり、|HEAD PORTER ヘッドポーター|に繋がっていく。

|GOOD ENOUGH|
年表

「元祖裏原系」
全てを開拓していったブランドの軌跡

'1990

|GOOD ENOUGH|
スタート

1990年、|GOOD ENOUGH グッドイナフ|を立ち上げる。
創立者は、藤原ヒロシ、スケートシング、岩井徹、水継の4人。
当時、藤原ヒロシの名前は伏せていた。著書『丘の上のパンク』で
「服本来を見てもらえずに、買ってくれる人たちは買ってくれるし、
嫌っている人たちには無視されそうだから、それをなくしたくて、名前を出さなかった」
と語る。

'1991

小泉今日子ライブTシャツ
製作

藤原ヒロシがプロデューサーとして参加していた
「小泉今日子‘91 セクシー・ダイナマイト・ツアー・MMK作戦」
ライブTシャツに、左袖と背に|GOOD ENOUGH|のタグが付いていた。

'1995

|PORTER|
コラボバッグ発売

日本で初めてのコラボ商品と言われる。
タンカーを使ってレコードバッグを作り、数量限定で販売。
これを機に|PORTER ポーター|は全国区となり、
|HEAD PORTER ヘッドポーター|に繋がっていく。

'1998

絶頂期
半年間休止

|GOOD ENOUGH|を取り扱う店舗も40店舗に増えていた。
藤原ヒロシの独断で半年間休止し、店舗数も友達の10店舗に絞る。

'2004

|RESONATE GOOD ENOUGH|
スタート

2004AWから「シンプルかつ機能的なウェアー」を展開。

'2017

|GOOD ENOUGH|
ブランド終了

|GOOD ENOUGH|
アイテム

「元祖裏原系」
新しくて普遍なアイテム達

TOPS

Tシャツ ¥5,800-¥8,800

人 気 
2/5

長袖だと¥7,800-¥9,900。プリントの面積が大きいと価格が上がる。
二次市場でも、基本的には販売価格を超えての取引は少ないが、|Supreme|とのコラボモデルはかなり人気。

シャツ ¥15,800-

人 気 
3.5/5

背中にロゴがプリントされている「バッグロゴ」シャツなどが人気。

スウェット ¥22,000-

人 気 
3/5

Tシャツと同じでコラボレーションアイテムが人気。
また、フィッシャーマンのニットなども人気。

OUTER

ジャケット ¥19,800-¥59,800

人 気 
2.5/5

コート ¥49,000-¥84,000

人 気 
3.5/5

1996年に発売されたモッズコートが人気。

ダウン ¥57,200

人 気 
2.5/5

OTHER

ボトム ¥19,800-¥29,800

人 気 
2/5

モッズコート|MODS COAT

参考価格    ¥84,000-

人 気
4.5/5

1996年に発売されるやいなや、流通量の少なさもあり、一気にレア化する。
ヴィンテージのM-51をベースに、左袖の下部をストライプの生地で切り返すという斬新なアプローチで人気を呼ぶ。
ブランド創設25周年記念として2015年の1年間、|時しらず|とのコラボレーション復刻コレクションとして復活もしている。

|GOOD ENOUGH|
ブランドライン

「元祖裏原系」
新しくて普遍なブランドライン

RESONATE GOOD ENOUGH|
リゾネイト グッドイナフ

価 格
2.5/5
人 気
2.5/5

2004年秋冬シーズンよりスタートしたグッドイナフのセカンドライン。
シンプルかつ機能的なウェアを展開。

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